企業インタビュー
ユニリーバ・ジャパン株式会社
ブランドを育て、「パーパス」で社会を動かす―ユニリーバのマーケティング職の魅力
2025-10-14


ユニリーバ・ジャパン株式会社
190カ国以上でブランドを展開する世界最大級の消費財メーカー、ユニリーバの日本法人として、1964年に設立。「ラックス」「ダヴ」「ネクサス」など、ビューティ&パーソナルケアやホームケア領域の多彩なブランドを日本市場に展開している。グループ全体としてサステナビリティやEDI(エクイティ、ダイバーシティ、インクルージョン)を成長戦略の中核に据えており、その先進的な経営姿勢は業界内外からの評価も高い。
巧みなマーケティング戦略に加え、「パーパス経営」の先駆者としても注目されてきたユニリーバ。今回は、ビューティー&ウェルビーイング領域のマーケティング職の募集に伴い、日本法人でマーケティングを統括するアイリーン・ヤン氏と、人事総務本部長のバスマジェ詩織氏にインタビュー。グローバルブランドの最前線で働く魅力や、組織と個人の働き方における「パーパス」の意義について、お話を伺いました。
(記事内敬称略)
Profile
アイリーン・ヤン 氏
B&W(Beauty and Wellbeing) 事業部 マーケティングヘッド
バスマジェ・詩織 氏
人事総務部 人事総務本部長

グローバルと日本の知見が融合するマーケティング最前線
―― まずはお二人が率いている部署と、それぞれの役割についてお聞かせください。
アイリーン:ユニリーバ・ジャパンのビューティー&ウェルビーイング(以下、B&W) 事業部でマーケティングチームの責任者を務めています。日本のマーケティング事業部には、B&W、パーソナルケア、ホームケアの3つがありますが、B&Wが最も大きな事業部 とです。
バスマジェ:私は人事部門の責任者として、現在は人事統括本部長 と ビジネスパートナーの役割を兼任しています。 さまざまなデータや分析を活かし、人事の視点から企業として何が重要かを見極めるのが主なミッションです。ビジネスリーダーと密に連携しながら、組織の課題を捉え、より良い組織をデザインしていくことを目指しています。
――ユニリーバにおけるマーケターとしての役割、そして日本のマーケティングチームのミッションについて、アイリーンさんはどのようにお考えですか。
アイリーン:マーケティングの知見は常に双方向に活発に交換されています。なぜなら、日本のビューティー市場は非常にユニークで、グローバルの視点から見ると、将来の消費者ニーズやトレンド予測の参考になるからです。
例えば、日本のヘアケア習慣は他国に比べて非常に洗練されており、使用する製品の種類や頻度も多い傾向があります。そのため、海外で商品を開発する際には、日本市場の製品のテクスチャーやパッケージデザインが大きな参考となっています。スキンケア分野でも日本は長年にわたり最先端を走っているため、本社は日本からのイノベーションやトレンドを積極的に取り入れる姿勢を持っています。
一方で、日本チームは本社から長期戦略や全体方針の共有を受けるだけでなく、世界各地のマーケティング施策やベストプラクティスを積極的に学び、それを日本市場に応用しています。特に最近では、AIの活用に関する知見が、日本市場での迅速な取り組みを支える大きな力となっています。
また、私自身も含めて人材がグローバルに異動しており、多様な知見を活かした強力なチームをつくれる環境が整っていると感じています。
――日本のマーケティングチームはどのようにグローバルや本社と連携しているのでしょうか。
アイリーン:弊社CEOのフェルナンド・フェルナンデスが「ブランドが第一。それ以外はすべて後に続く(Brand comes first, everything else follows)」と言うように、ユニリーバにとってブランドは最も重要な資産です。この強いブランドがあるからこそ、事業の成長や社会貢献が実現できるといっても過言ではりません。ですので、ブランドを構築するマーケティングに携わることは、会社の核となる重要な仕事だと考えています。
また、日本のチームでは、ブランドの立ち上げから新商品の開発、市場導入まで、一連のマーケティング工程を自ら主導しています。多くのグローバル企業では、本社がブランド開発などの上流工程を担い、各国はローカル施策に注力する体制が一般的ですが、日本では上流から下流まで一貫して関わることができるため、やりがいのある環境だと思います。
また近年は、ソーシャルメディアを軸としたマーケティングや、AIなどの最新テクノロジーを活かした取組みにも注力しています。
――すでに確かなブランド力を持つユニリーバですが、AIやSNSを活用し、さらに進化を遂げようとしているのですね。
アイリーン:はい。最近では「誰もが1日4時間以上スマートフォンを見ている」といったデータもあるように、テレビCMを作って終わりという従来の手法ではもはや十分ではありません。SNS上で日々、何百万もの投稿や広告が飛び交うなか、ブランドの存在感を保つには、消費者一人ひとりの関心や状況に合ったメッセージを、最適なタイミングで届けることが不可欠です。
こうした膨大な数のコンテンツを継続的に制作・発信していくためにも、AIの力は非常に頼りになります。
――日本のマーケティングチームに今後入社される方には、どのような活躍を期待していますか?
アイリーン:ユニリーバはグローバルブランドとしての強みを持っていますが、これからはさらに、日本市場に根ざしたブランディング、コミュニケーション、そして製品開発を強化していくことが重要だと考えています。
そのため、新たに加わる方には、ユニリーバのグローバルな基盤や資産を最大限に活かしながらも、日本の消費者を深く理解し、そこから得られるインサイトをブランド戦略や商品づくりに反映していくことを期待しています。
もう一つ大切なのは、「挑戦する姿勢」です。従来のやり方にとらわれず、柔軟かつ大胆なアイデアを歓迎します。ユニリーバには、良いと感じたアイデアは積極的に後押しするオープンなカルチャーがあります。そんな環境を活かし、思い切りチャレンジしてほしいですね。
バスマジェ:マーケターとして最も大切なのは「好奇心」だと思います。消費財業界の変化のスピードはこれまでになく速く、次にどんなトレンドが来るのか、どうすれば本当に人々の心を動かす提案ができるのかを、常に考え続ける必要があります。
変化をおもしろがり、学び続ける姿勢が、これからのマーケターに必要だと思います。

一人ひとりの「パーパス」が、組織の力になる
――ユニリーバでは「パーパス(意義)」を重視した経営をされています。バスマジェさんは人事本部長として、従業員のエンゲージメントとパーパスは、どのように結びついていると感じますか。
バスマジェ:今の職場には、働く理由もライフスタイルもさまざまな人が集まっています。そうした多様なメンバーが一つの方向を目指して力を合わせていくためにも、「共通の目的= パーパス」を掲げることはとても重要だと感じています。
たとえば、ユニリーバのブランドには、それぞれに明確なパーパスがあります。「ラックス」であれば、「女性の人生を輝かせる 」というものです。こうしたパーパスがあることで、共感する社員にとっては仕事の意味ややりがいがより深まりますし、消費者も、ブランドが目指す社会に一緒に向かっていると感じられます。
さらにユニリーバでは、「社員一人ひとりのパーパス」も大切にしています。「フューチャー・フィット・プラン」という社内プログラムでは、自分の目指す方向や価値観を考え、今の仕事でどのような成長を目指していきたいかを明確にする機会を設けています。
個人では成しえない社会的なインパクトも、企業という枠組みを通じてであれば実現可能になります。個人が企業のパーパスと自分のパーパスを重ねることで、仕事に意味を見出し、自然と高いエンゲージメントが生まれる、私たちはそんな環境をつくろうとしています。
――パーパスは、個人・ブランド・組織すべてをつなぐものなのですね。お二人 の個人的なパーパスがあれば、教えていただけますか。
バスマジェ:私のパーパスは、まわりの人に温かさを届け、前向きな気持ちにする「春の陽だまり」のような存在でいることです。自分自身のキャッチフレーズは、「愛を吸い込み、光を吐き出す 」。まずは自分を愛し、自分の可能性を信じること。それがまわりの人をも照らす源になると思っています。
アイリーン:私は、ユニリーバのパーパスを消費者にしっかりと伝え、ブランドへの愛を世の中に広げていくことがひとつ。そしてもうひとつは、チームメンバーの成長を見届けることです。経験の浅いメンバーが、数年後に期待を超えて成長していく姿を見たときに、最も誇らしく、幸せな気持ちになれることに、最近、気が付きました。仲間の可能性を信じてサポートすることが、私の大切なパーパスです。
――お二人からも、温かい企業風土が伝わってきます。社員のウェルビーイング推進にも力を入れていますね。一例としてWAA(Work from Anywhere & Anytime)制度がありますが、その背景や狙いを教えてください。
バスマジェ:ユニリーバは、多様なバックグラウンドを持つ社員が集まる組織のため、ひとつの働き方だけで全員にフィットするルールをつくるのは現実的ではありません。だからこそ、時間や場所に縛られずに働けるWAAのような制度を整えています。
ただ、WAAは単なる柔軟な働き方の提供ではなく、わたしたちはこの制度を通じて「あなたのキャリアの主役は、あなた自身だ」というメッセージを伝えたいと思っています。上司や会社からの指示を待つのではなく、「どう働きたいか」「どうすれば自分の力を最大限に発揮できるか」を自ら考え、主体的に選択してほしいのです。
ユニリーバでは従業員のパフォーマンスを最も重視されるからこそ、全員に同じ働き方を求めるのではなく、それぞれが最も成果を出せるスタイルを選び取れることが大切だと考えています。それが、結果的にウェルビーイングの向上につながったのだと思います。

深い思いやりを持ち、成果と真剣に向き合える人を歓迎
――これから入社される方に求めるマインドセットや資質は何ですか。
アイリーン: いくつかありますが、まず大切なのは「成果志向」です。常に「どんな成果を出したいのか」「何をもって成功とするのか」という視点をもって仕事に取り組む姿勢は重要です。
次に挙げたいのが「思いやり(Care)」です。 「思いやり」のある態度は消費者理解にもつながります。例えば施策への反応について消費者の立場にたって掘り下げられる人は、より本質的なインサイトにたどりつくことができます。
バスマジェ: ユニリーバが掲げている4つの行動指針に行き着くと考えています。まず一つ目は、アイリーンさんも言及した「深く思いやる(Care Deeply)」姿勢です。単にやさしいという意味ではなく、ブランドや会社の未来に真剣に向き合い、自分が信じることに声を上げられる強さもまた、「思いやり」です。
二つ目は、「重要なことに集中する(Focus on what counts)」。マーケティングは多様な施策を限られたリソースで実行する仕事です。だからこそ、本質的に重要な仕事を見極め、そこに集中できる力が求められます。
三つ目は、「3歩先を行く(Stay three steps ahead)」。市場への好奇心と革新性をもち、先を見据えながら自らを進化させ続ける力です。
そして四つ目は、「卓越した成果を出す(Deliver with excellence)」。どんなタスクであれ、ベストを尽くしてほしいです。120%を目指す姿勢で臨むからこそ、100%の結果が見えてくると思っています。
この4つの行動指針に共感できる方とぜひ一緒に働きたいですね。

――最後に、ユニリーバ・ジャパンへの転職を考えている方に向けて、メッセージをお願いします。
アイリーン:このインタビューを読んでくださった方は、きっとユニリーバの大切にしている価値観やカルチャーを感じ取っていただけたのではないかと思います。私自身、ユニリーバはとてもオープンで、自由度や柔軟性に富んだ会社だと感じています。もし私たちの話に共感し、ユニリーバの価値観に魅力を感じていただけたのであれば、自分らしく活躍できる場が見つかると思います。
バスマジェ:私が新卒で入社して以来ずっとユニリーバにいるのは、「1年前の自分と比べて、確実に成長している」と毎年実感できるからです。ユニリーバには、自分から掴みにいこうとする人に、たくさんの選択肢やチャンスが用意されています。また、190カ国以上で事業を展開しており、グローバルな学びの機会も豊富です。もし世界を見据えたキャリアに興味を抱いてるなら、その想いに応えてくれる場所だと思います。
――本日はたくさんの示唆に富んだお話をありがとうございました!

聞き手 中野 聡(なかの・さとし)
パーソルキャリア Bilingual Recruitment Solutions (BRS) ディレクター。中央大学卒業後、事業会社で営業、情報システム部、総務部、社長室を経験。パーソルキャリアでは、IT/ネット/コンサル領域を中心に転職・採用支援を担当。現在はBRSの営業部門を管掌。

左からユニリーバ・ジャパンの三橋様、バスマジェ様、アイリーン様と、採用支援で関わるBRSのエメリーン、ダイアナ、飯田、中野。
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