1. トップページ
  2. BRS Library
  3. 日本特有の採用課題とは - 3.日本的雇用慣行と転職市場への影響

採用企業向け

日本特有の採用課題とは 

3.日本的雇用慣行と転職市場への影響

2024-05-24

日本には、「日本的経営の『三種の神器』」として知られる3つの雇用慣行があります。日本に根付いてきたこの慣行は、他国と比較して、日本の労働者が転職に消極的な傾向を持つ理由のひとつと言えます。 

この記事では、これらの慣行の内容や、それが日本の労働者に与えてきた影響について詳しく説明していきます。また、現在、日本企業の間でこれらの慣行を見直す動きが広がっている背景についても触れていきます。


スーツを着た若いサラリーマン男性

日本的経営の「三種の神器」とは 


日本的雇用慣行
の特徴は、「終身雇用」「年功序列型賃金」「企業別労働組合」と呼ばれるものです。これらの雇用慣行は、日本の戦後の高度成長期を支えた基盤とえます。その内容と、労働者に与えた影響について、順に解説していきます。
 

終身雇用 

終身雇用とは、企業が従業員を定年まで継続して雇用する制度です。この制度は法律で規定されたものではありませんが、高度経済成長期には、多くの大企業が優秀な人材を確保し、逃さない手段としてこの制度を採用してきました。

終身雇用制度の下では、労働者はひとつの企業で長期間働くことが一般的で、企業内で定期的にジョブローテーションされます。ジェネラリストとして企業内で幅広く活躍できるようになる一方、門性磨きづらくなり結果、欧米のように自らスキルを磨いて職位や条件を向上させていく傾向弱まっていきました。 

年功序列 

年功序列とは、年齢や勤続年数に応じて賃金や役職を与える人事評価基準です。この制度では長く務めるほど条件が向上するため、企業にとっては、自社からの労働者流出を避ける手段として定着していきました

労働者にとっては就業年数によって賃金が徐々に上昇することから、「転職する」という選択肢挙がりづらい価値観をもたらしました

企業労働組合 

企業労働組合は、企業に所属する社員結成された労働組合のことです。欧米では産業別労働組合が主流ですが、日本では相互協力やコミュニケーションが重視された結果、企業別労働組合が大きな影響力を持つようになりました。企業の実情に即した活動が可能一方企業との関係の近さゆえ、組合の関与により労働者が離職しづらい状況になることもありました。

また、複数の企業が属する産業別組合と異なり
活動内容が閉鎖的になりやすく労働者が得られる他の企業の労働条件や業界の雇用情勢に関する情報が限られてしまう原因もなりました
 

変わりゆく日本の労働市場 

 

このように、日本的雇用慣行は日本の労働者が転職を躊躇する要因となってきました。しかし、昨今では高度経済成長期の頃とは労働市場が大きく変化しこうしたかつての日本型三原則は崩れつつあります。 

 

高度経済成長期には、企業は自社の成長を期待できたため、新卒者を大量に採用して長期的に育成することが効果的とされていましたしかし、現在では日本経済の停滞や人口減少、グローバル化などの理由により、人材獲得競争が激しさを増しています。さらに、IT技術の進歩により、経営環境が大きく変わり、従来の伝統的な雇用慣行では急速な変化に対応するのが難しくなりました 

 

企業は、国際競争力を保ち、優れた人材を確保するため、異業種からの採用やグローバル人材の活用、そして「ジョブ型採用」など、新たな採用戦略や雇用制度を模索しています。このような労働市場の変化に伴い、労働者の転職に対する見方も変化しており、特に若者世代では、転職を自己成長やスキルの向上の機会として前向きに捉える傾向広がっています。 

日本労働観を理解し、時代に即したアプローチを 


しかし、長い間日本で一般的だった雇用慣行が、今もなお
日本の転職市場に影響を及ぼしているのは事実です。
 

特に40代以上の労働者やその親世代にとって、ひとつの会社で長く勤め上げることが安定の象徴であるという考え方は根強く残っています。日本での採用に成功するには、このような日本の労働文化を理解し、同時に市場の変化に敏感に対応することが大切です。 

 

バイリンガル・マルチリンガル人材に特化した採用支援サービス「BRS」では、日本の転職市場に精通したコンサルタントが、各企業や案件に最適な人材を見つけるお手伝いをします。また、一連の採用活動をご支援するバイリンガル対応のRPO(採用代行)サービスも提供しています。まずはお気軽にお問い合わせください。
 

お問い合わせ



  • LinkedInアイコン
  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • lineアイコン
  1. トップページ
  2. BRS Library
  3. 日本特有の採用課題とは - 3.日本的雇用慣行と転職市場への影響